そもそもエアストリームとは何ぞやって話を書こうかと思います・・・
今回はそもそものエアストリームについてを書いたことがないな。と思ったので
今回はエアストリームの生い立ち、歴史について書いていこうと思います。
そもそもエアストリームとは・・・
簡単に言ってしまえば、当時航空機用に使用されていたジュラルミンを用いて作られた流線形形状のキャンピングトレーラーです。
今やキャンピングトレーラーとしては歴史の長いメーカーの一つになっています。
エアストリーム社の起源は、1930年頃のロサンゼルスでウォーリー・バイアムが自宅裏庭で自ら描いた理想の設計図を基にメゾナイト製のキャンピングトレーラーを製作し始めたことに始まります。
バイアムは、自分で好みのキャンピングトレーラーを造りたい者に自作キットを売るための雑誌を発行するなどしていましたが、ついには当時販売を手伝っていたが業績不振に陥っていたホーレー・ボウラスのキャンピングトレーラーの会社を買い取りキャンピングトレーラーの会社を経営することになります。
彼はキャンピングトレーラーの改良を加えていく中で航空機の飛行および乗組員を遠くに輸送し、そこまで快適に移動できる技術と構造に目を付け、外装にもリベットで留められた航空用ジュラルミンの外装を持つエアストリーム・クリッパー (Airstream Clipper) を1936年に発売しました。
↑このクリッパーは接続部分(いわゆるAフレーム部分)に扉がありました。
正直実用性で見たら微妙そうですよね・・・
空気抵抗が小さく、それに伴って燃費の向上に貢献していたこのキャンピングトレーラーのデザインは、現在まで続く流線形で銀色アルミニウム製のエアストリーム社のキャンピングトレーラー製品の最初のものになります。
また、1930年代は世界大恐慌の最中であり、1936年には400社以上あったキャンピングトレーラーの製造業者も大恐慌の終焉を迎えるときに生き残っていたのはエアストリーム社だけでした。この事からもエアストリーム社の製品としての優秀さ、市場での評価を物語っています。
第二次世界大戦後は私どもも取り扱っているジュラルミン(アルミ)製トレーラーが何社か出ていますね。シルバーストリーク、スパルタン、アヴィオン、ストリームライン等々・・・
ただし、今でもジュラルミン(アルミ)製無垢(クリア塗装はされていますが・・・)の製造を行うのはエアストリームのみです。
第二次世界大戦で一時製造中断を余儀なくされたエアストリーム社ですが1948年には製造を再開し1952年7月にはジャクソン・センターの新工場が建設。カリフォルニアでのエアストリームの生産は1979年まで行われました。
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話は脱線しますが、このエアストリーム社の再開までには面白い?複雑な?エピソードがあります。
第二次世界大戦は1945年に終わったいますがエアストリーム社が製造再開したのは1948年。
その3年の間に創業者であるウォーリー・バイアムは戦後すぐにキャンピングトレーラーの製造を再開したカーチス・ライト社でのキャンピングトレーラーの製造に携わり、カーチス・ライト社はキャンピングトレーラー製造販売を行います。車名は『クリッパー』
左右分割をして窓を広くとったのが特徴ですね。
前から見ると宇宙人(いわゆるグレイってやつですかね?)っぽく見えたので通称エイリアンフェイスと呼ばれるのがこのモデルたちですね。
その後ウォーリー・バイアムはカーチス社を離れ、エアストリーム社を再始動。
ネーミングに関してもいろいろな利権が絡んだのか再始動後のエアストリームのモデルは『ライナー』となります。
そしてカーチス・ライト社はその後、キャンピングトレーラー事業の撤退をし航空機製造に専念する決定を行います。
その事業は当時カーチス・ライト社の従業員が引継ぎ、社名を『シルバーストリーク』とし事業を始めました。そのため、カーチス・ライトとシルバーストリークのクリッパーは瓜二つ。
製造台数的にも後々のメーカーとしての寿命もシルバーストリークの方が長いのでカーチスのクリッパーよりもシルバーストリークの方が有名ですね。
これはシルバーストリーク『クリッパー』
なので、実はカーチス・ライト社もシルバーストリーク社もウォーリー・バイアムとは無縁ではない会社なんです。
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1980年にAIRSTREAM社は、北米オハイオ州の大手キャンピングカーメーカーであったTHOR Industory社に買収され、 その子会社となりました。
そしてそれを機にモデル・チェンジが次々と行われていき現在でも新車のキャンピングトレーラーの製造販売を行っています。
結局、ジュラルミン(アルミ)で製造されるトレーラーはなくなっていき、現在ではエアストリームのみとなっています。
今回はエアストリームの話と脱線してシルバーストリークの話になりましたが、エアストリームライフと言っても、スパルタンやシルバーストリーク、その他メーカーの車両も当然取り扱いしますのでお気軽にご相談ください。